「パパ検」仕掛け人 ファザーリング・ジャパン 安藤哲也さんインタビュー 9/12

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■第9回■
男も女も、自分のプレゼンスを確立できる場を持てば、
人生はより豊かになる。


――もうひとつ伺ってみたかったことなんですが、男性のあり方について語ることは、ある意味、女性のあり方について語ることになりますよね。男性の側から見た女性のあり方、それから、自立について、どう思われますか?

講演でもよく言うんだけど、父親の育児を阻む原因の一つとして、女性たちの古い意識もあるんじゃないかと僕は思うな。「私の大事な息子におむつなんか替えさせて」ってお嫁さんに対して不満を言う母親(姑)も実はまだいるし、妻でさえ「男の人が育児をやってもろくなことはない」って思って、育児を抱え込んで父親を育児から遠ざけている場合もある。

結局、古い性別役割分業の意識の問題が大きいよね。そもそも自分も働いて自立しようとか、夫婦ふたりで子育てをやっていこう、楽しもうという発想がない。それぞれの家庭によって事情は違うんだから、古い価値観や画一的な物差しに捉われないで、状況に応じて変えていけばいいのにね。
地方に講演に行くとびっくりするのは、短大に通う女子学生の9割5分が、玉の輿狙いなんです(笑)。この時代に「ホンマかいな?」と思うけど、地域によっ てはホントらしいですよ。地元に世界的な大企業があって、みんなそこの社員の奥さんになって子どもを産んでまったりと暮らせればればいいと本気で思って る。経済的にも豊かで、毎日おいしいものを食べて、綺麗な服を着て、子育てもファッションとしてやれればいいって。

でも、全然本質が見えてないよね。子育てをめぐる社会環境はどんどん変化しているのに、他力本願で依存して生きていこうとするスタンスは、危ないと思うよ。
10年後、ママになった専業主婦のその女性に会って訊いてみたいよね?「Are you happy?」って。結婚式の瞬間は、玉の輿に乗れてラッキーと思えたとしても、そこにはイベント以上の意味はない。大事なのは、その後の長い結婚生活や家族の在り方だからね。

――結局、60年近い月日を自分で選んだはずのその檻の中で過ごさなきゃいけないわけですもんね。

聴いた話だけど、実際、玉の輿に乗ってはみたものの、閉塞感のある暮らし(育児)に行き詰まり、辛くなって子育て支援センターに駆け込んでる母親も結構い るらしいんですよ。でも、社会に戻ろうと思っても「ITの技術は進んでいてついていけない」とか、「私なんかやっていけるわけがない」とか、まだ20代の 若い母親たちが自ら下りてしまっている。それは、母親だけの問題じゃないんだよ。増幅されたストレスのはけ口が、子どもに行っちゃうケースも多々あるから ね。

自立って言葉自体は堅苦しくてよくないとは思うけど、そういう母親たちが再チャレンジできる機会を、行政や企業は用意しなくちゃいけないと思うんですよ。
子育ても大事なプロジェクトだと僕は思うけど、その人にとって、母親、妻という存在以外に、自分のプレゼンスを確立できる場を持った方が、人生はより豊かになると僕は思うけど、どうかな?


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■安藤哲也さんプロフィール■
1962年東京都生まれ。2男1女の父親。出版社、書店、IT企業など9回の転職を経て、06年11月、父親の育児 支援を行うNPO法人ファザーリング・ジャパンを設立、翌年、絵本ナビ非常勤取締役に。企業、一般向けの父親セミナーや、「子育てパパ力検定」のPR、絵本の読み聞かせ&ライブ活動「パパ's絵本プロジェクト」などで日本を飛び回る。著書に『本屋はサイコー!』(新潮OH!文庫)、『パパの極意~仕事も育児も楽しむ生き方』(NHK生活人新書)がある。
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■安藤哲也さんの本■

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安藤 哲也

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パパの極意―仕事も育児も楽しむ生き方安藤哲也著(NHK出版生活人新書)
本屋はサイコー! 安藤哲也著(新潮OH!文庫)

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