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■第3回■
――念願の留学を果たされて、バンクーバーでは、どんな生活を送っていらしたんですか?
バンクーバーでは、とても充実した3年半を過ごしました。でも、悔しい思いもたくさんしましたよ。映画学校の生徒はほとんどネイティブでしたから、英語で自分を表現できない時点で、先生やクラスメイトにどうしても軽く見られてしまいますし、最初は英語の専門用語なんかチンプンカンプンで、あまりにわからないので、授業をさぼって外でぼんやりしていたりもしました。
――脚本も、当然英語で書かなきゃいけないですもんね。
そうなんですよ。英語で脚本を書いて、英語でプレゼンする。日本語でも脚本を書くのは大変なのに、いきなり全部を英語でしなくちゃならなかったんです。学校では、何本か、チームを組んでドラマやドキュメンタリーを撮ることになっていたんですが、僕の作品はことごとく選んでもらえず、監督にもなれず終いで、本当に悔しい思いをしました。
――かなりシンドイ時期を過ごされたんですね。
ええ。でも、ここまで苦労して来たバンクーバーの地で何かを得て帰らなきゃと、僕なりに必死に背伸びをして、もがきまくって、相当ストイックに勉強しました。
――それにしても、わずか1年間で映画を勉強するって、ネイティブにとっても大変なことですよね。
なんでもそうかもしれませんが、映画の勉強にも近道はなくて、とにかく時間を費やして膨大な量の勉強をしていくしかないんです。でも、僕の場合は遅いスタートで時間が限られていたから、とにかく時間管理を徹底したし、そういう意味では速読の本も読んだりしてとにかく勉強のスピードをアップすることを心がけたりもしました。
――時間管理というと、どんな風にされていたんですか?
エクセルのシートを使うんですが、24時間7日分の表を作って、1週間分の予定をあらかじめ立ててしまうんです。「映画を観る」「脚本を書く」「撮影技術の勉強をする」「編集に関する本を読む」etc、そうやって埋めていくと、まず、セルを埋める時に「この行動にこれだけの時間を使う価値があるか」というのを考えるし、その通りにできなくても「あ、俺これやらなきゃいけなかったんだ」と自分に対するリマインドにはなりますから。
――3年半もやると、自分の中の何かが変わってきそうですね。
自分の行動と時間とを直結させて考えるようになりますよね。あの時期に培われた時間と行動を意識的に捉える感覚は、今こうして仕事をしていても活かされていると思います。
でも、苦労して勉強しても、僕の作品は卒業式で上映される5本の作品には選ばず、次点留まりだったんです。
――それは悔しいですね。
あの時は本当に悔しかったし、辛かったですね。でも幸いなことに、その作品はその後、フジテレビの「ショートショート制作部」という番組のコンクールで最優秀撮影賞をいただくことができたんです。
――素晴らしい! どんな作品なんですか?
『Before, After』という作品なんですが、ことごとく監督の座を落とされて屈辱を味わってきた僕が、最後の卒業制作で、最後の逆転のチャンスだと思って持てるすべてを注いで作った作品でした。
物語の舞台は70年代の南米で、主人公は女性左翼ゲリラなんですが、彼女は敵の兵士を次々と処刑していくんですが、ある時幼なじみに銃口を向けることになる、という実話を元にしたストーリーです。
――北米で南米舞台の作品を撮影されたんですか!?
そうなんです。当時、クラスメイトの多くは、撮影が楽なように、デジタル撮影で現代のラブストーリーなんかを撮ったんですが、僕だけは70年代の南米を設定して、フィルムで撮ったんです。書きながら自分でも、「これ、どうやって撮るんだろう?」と思うんですが、やっぱり自分が不安になるくらいのことをやらないと、人間、成長できないんじゃないかとも思ったんですよ。
――その決断が功を奏して、大逆転で、見事賞を受賞されて......。
ええ。賞をいただけた時は本当にうれしかったです。撮影も、大変なことは山のようにあったんですが、ベストを尽くして精一杯やったからこそ、最後には形になったし、賞をいただくこともできました。それ以来、自分ができるかできないかわからないことに、敢えて挑戦するというのが、僕の中のひとつの指針になっているんです。
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■TOMO(合田智一)さんプロフィール■
1973年東京出身。中央大学法律学部法律学科卒。6年間のサラリーマン生活の後、29歳で渡加。バンクーバー・フィルム・スクールにて映画製作を学ぶ。
短 編第一作『Before, After』(2003年)はフジテレビ「ショートショート制作部」にて最優秀撮影賞を受賞など、国内外の映画祭に多数入選。短編第2作『for the beauty of falling petals』(2004年)はバンクーバー、トロント、ウィスラー等の映画祭にて入選。2006年に帰国、フリーランスの映像クリエイターとして活動を 開始。2007年、株式会社インディゴ・フィルムズを設立。初監督作品、SF時代劇アクション、『The Tears of the Rabbit』が2008年公開予定。
>>詳しいプロフィールはこちら
>>biglobeのHPで、インディゴ・フィルムズ制作・TOMOさんがディレクターを務めていらっしゃる、「はたらくげんき」がご覧になれます。(*視聴できるのは最新版のみ。TOMOさんは、全12本中4本担当されています)。詳しくはこちら
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ええ。でも、ここまで苦労して来たバンクーバーの地で何かを得て帰らなきゃと、僕なりに必死に背伸びをして、もがきまくって、相当ストイックに勉強しました。
――それにしても、わずか1年間で映画を勉強するって、ネイティブにとっても大変なことですよね。
なんでもそうかもしれませんが、映画の勉強にも近道はなくて、とにかく時間を費やして膨大な量の勉強をしていくしかないんです。でも、僕の場合は遅いスタートで時間が限られていたから、とにかく時間管理を徹底したし、そういう意味では速読の本も読んだりしてとにかく勉強のスピードをアップすることを心がけたりもしました。
――時間管理というと、どんな風にされていたんですか?
エクセルのシートを使うんですが、24時間7日分の表を作って、1週間分の予定をあらかじめ立ててしまうんです。「映画を観る」「脚本を書く」「撮影技術の勉強をする」「編集に関する本を読む」etc、そうやって埋めていくと、まず、セルを埋める時に「この行動にこれだけの時間を使う価値があるか」というのを考えるし、その通りにできなくても「あ、俺これやらなきゃいけなかったんだ」と自分に対するリマインドにはなりますから。
――3年半もやると、自分の中の何かが変わってきそうですね。
自分の行動と時間とを直結させて考えるようになりますよね。あの時期に培われた時間と行動を意識的に捉える感覚は、今こうして仕事をしていても活かされていると思います。
でも、苦労して勉強しても、僕の作品は卒業式で上映される5本の作品には選ばず、次点留まりだったんです。
――それは悔しいですね。
あの時は本当に悔しかったし、辛かったですね。でも幸いなことに、その作品はその後、フジテレビの「ショートショート制作部」という番組のコンクールで最優秀撮影賞をいただくことができたんです。
――素晴らしい! どんな作品なんですか?
『Before, After』という作品なんですが、ことごとく監督の座を落とされて屈辱を味わってきた僕が、最後の卒業制作で、最後の逆転のチャンスだと思って持てるすべてを注いで作った作品でした。
物語の舞台は70年代の南米で、主人公は女性左翼ゲリラなんですが、彼女は敵の兵士を次々と処刑していくんですが、ある時幼なじみに銃口を向けることになる、という実話を元にしたストーリーです。
――北米で南米舞台の作品を撮影されたんですか!?
そうなんです。当時、クラスメイトの多くは、撮影が楽なように、デジタル撮影で現代のラブストーリーなんかを撮ったんですが、僕だけは70年代の南米を設定して、フィルムで撮ったんです。書きながら自分でも、「これ、どうやって撮るんだろう?」と思うんですが、やっぱり自分が不安になるくらいのことをやらないと、人間、成長できないんじゃないかとも思ったんですよ。
――その決断が功を奏して、大逆転で、見事賞を受賞されて......。
ええ。賞をいただけた時は本当にうれしかったです。撮影も、大変なことは山のようにあったんですが、ベストを尽くして精一杯やったからこそ、最後には形になったし、賞をいただくこともできました。それ以来、自分ができるかできないかわからないことに、敢えて挑戦するというのが、僕の中のひとつの指針になっているんです。
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■TOMO(合田智一)さんプロフィール■
1973年東京出身。中央大学法律学部法律学科卒。6年間のサラリーマン生活の後、29歳で渡加。バンクーバー・フィルム・スクールにて映画製作を学ぶ。
短 編第一作『Before, After』(2003年)はフジテレビ「ショートショート制作部」にて最優秀撮影賞を受賞など、国内外の映画祭に多数入選。短編第2作『for the beauty of falling petals』(2004年)はバンクーバー、トロント、ウィスラー等の映画祭にて入選。2006年に帰国、フリーランスの映像クリエイターとして活動を 開始。2007年、株式会社インディゴ・フィルムズを設立。初監督作品、SF時代劇アクション、『The Tears of the Rabbit』が2008年公開予定。
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