インタビュー: 2008年6月アーカイブ

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■第11回■

――経営理念について伺いたいんですが、インディゴフィルムズさんでは、「『人と地球にやさしい』映像を通して、視聴者の皆様に共感と感動、元気と癒し、勇気と行動力を提供し、平和で幸福な社会をつくるお手伝いをする事を理念とした」とか、「私たちは、当社をライフワーク及び身魂磨きの場と捉え、一人一人が健康的で幸せな生活を送り、作品とそのプロセスを通じて、ハッピー・バイブレーションを世界中にお届け致します」等々、ユニークな経営理念を掲げていらっしゃいますよね。大変興味深く拝見して、同時にすごく共感したんです。でも、実際ここまで直球の言葉で理念を宣言して、本気でそれをやると感じられる会社は、実はそう多くはないように思うんです。そういう意味で、ある種新しいし気持ちいいなと。

あの経営理念は、僕らがスタッフ交えて話し合って決めた「クレド」というものの一部なんです。「クレド」って、簡単に言うと、ボトムアップで会社をどうしていこうかっていうのを考えてまとめたものなんですが、それを僕らは約4ヶ月かけて作りました。
「生き方篇」「仕事の仕方篇」等、全部で10篇くらいある分厚いもので、こちらも可能な範囲でホームページにアップしています。
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■第10回■

――順調にお仕事を発展されていかれる中で、苦労されていることありますか?

パッと思い浮かんだのは、部下を育てるってことですね。それが今、僕がもっとも葛藤を感じているテーマです。
映像って、チームで作るものだから、スタッフを雇って一緒にやっていこうとしているわけなんですが、彼らもまだまだ発展途上だから、指導しなきゃならないことがかなり多くて。

――部下は成長できるけど、こっちにとってはブレーキになっちゃうんだ。

そうなんです。確かに部下はものすごく成長してると思います(笑)。
それはそれで、人を育てる勉強にもなるし、いい面もあるとは思うんですが、一方では、自分自身もなんとかしなきゃいけない時に、僕自身指導する余裕が持てないこともあって。
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■第9回■

――ところで、やりたい企画を実現するために、ご自身が営業をされたり、企画をご提案されたりということはあるんですか?

厳密な意味での営業活動は全くしていないですけど、やりたいことは常にたくさんありますから、一緒にお仕事をさせていただいている方に提案することはあります。

――企画書や提案書はよく書かれるんですか?

最近ちょっと時間がとれにくくてなかなか書けないんですが、面白い企画を思いついたら書くようにはしていますよ。

――企画書をひとつ書き上げるのって意外と大変だったりしませんか? 私なんかは、企画書ひとつ書くのに場合によっては何週間もかかってしまって大変な思いをするんです。

最初からディテイルにこだわってしまうと、時間がかかってしまいますよね。でも企画って、どこかワインみたいなもので、しっかりとした樽である程度熟成させる必要があるんですよ。僕の場合は、大抵1時間くらいで書いてしまいます。その時にはディテイルにはこだわってしまうと書けなくなってしまうから、むしろ、ワインの樽を用意する気持ちで大まかに捉えて書いていくんです。
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■第7回■

――それにしても、カナダから帰国されてわずか2年ほどで、こうして映像制作会社を軌道に乗せていらっしゃるというのはすごいと思うんです。どうしてここまで成長することができたとお考えですか?

僕らが実際のところうまくいっているのかいっていないのか、自分たちではよくわからないところもあるのですが、僕らなりに、僕らがうまくいっているところを分析すると、2つの大きなポイントがあると思ってるんです。ひとつは、基本的に「内容とお金」より「人と心意気」で仕事を受けさせていただくかどうかを決めていること。もうひとつが、クリエイターであってもビジネスを怠らない、ということなんです。

――ふたつのポイントについて、詳しくお聞かせいただけますか?

ひとつ目は、要するに仕事の受け方なんですが、一見やりたいと思う内容の仕事じゃなくても、人のご縁によって恵まれた熱意ある方の依頼であれば、基本的には断らずにお受けしようと考えているんです。
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■第6回■

――撮影を終えて、日本に帰国されてからは、スムーズにフリーランスの活動に入られたんですか?

いや、全然です(笑)。ツテもないし、どうしていいのかわからない状態でした。どうしていいかわからないけど、じっとしてるわけにもいかないから、ウェブを使っていろんな会社を探して、「バンクーバーでやってたんですけど、お話きかせてもらえませんか」ってメールを送りまくったんです。

――どのくらいアプローチされたんですか?

100社くらいは出しました。そのうち10~20%リアクションがあって、可能な限りお会いしていただきました。あの時は、ディレクションかプロデュースか、就職かフリーランスか、とにかく、今後の方向性すべてにおいて悩んでいましたから、現場の方のお話は、非常に参考になりました。

と同時に、非常に悔しい思いもしました。僕なりにあれだけバンクーバーで苦労して作品を作って来ても、所詮は自主制作、アマチュアで、メジャーどころの会社には全く相手にはされませんでしたから。

――そうだったんですか。お仕事は、そこから繋がっていったんですか?

いえ。実は、mixiがきっかけだったんです。企業へのアプローチと並行して、mixiで映像をやっていそうな方を探してコンタクトを取って、これも可能な限り会いに行ったんですが、その中にひとり僕を気に入ってくれた方がいて、彼が、会って数日後に仕事を紹介してくれたんです。「今回の仕事は予算が低すぎて会社として受けることができないから、よかったらやらないか」って。

その仕事は、今考えると大したバジェットではないんですが、これだけもらえればフリーランスとしてなんとか食べていけると思える額ではあった。それで、その時内定をもらっていた会社を断って、フリーランスの活動を始めたんです。
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■第5回■

――バンクーバーでお撮りになった長編映画は、どんな作品なんですか?

『tears of the rabit』という、飲めば不老不死になると言われる「ウサギの涙」を巡る娯楽映画で、僕自身が当時まだ撮ったことのなかったアクションシーンもふんだんに入っているし、ダンスシーンやアニメーションシーン、それから、影絵や馬のチェイスシーンなどもあって、そういう意味では当時のできる限りを盛り込んだ作品です。

――それにしても、100万円でそんな普通には撮れないシーンが満載の贅沢な作品を撮れるものなんですか?

普通に撮ったら撮れないですね。僕の場合は、役者スタッフ全員ボランティアでお願いしましたし、資材もかなり無償で提供してもらいました。

――ボランティアで撮影を成立させるのも、かなり大変なんじゃないかと思うんですが......。

そりゃあもう、大変です(笑)。でも、みんな楽しんで撮影に参加してくれたし、実際、できあがったものが僕の当初の予想を超えたものになっていたので、よかったと思います。
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■第4回■

――学校を終えられてからも、2年間はバンクーバーに滞在されていらっしゃいますが、これは、最初から長編を1本撮ろうという目論見があってのことなんですか?

撮りたいとは思っていましたが、学校を終えた時点で、蓄えていたお金はほとんど底を突いていました。だから、撮影どころか、バンクーバーに残れるかどうかもわからなかったんです。ところがある日、資金援助をしてくれる方が現れたんですよ。

――つまり、お金をくださったわけですか。

そうなんです。実はバンクーバーに行ってから、結構そういう方に助けられてきているんです。本当にありがたいことなんですが......。

――結構というと、TOMOさんのことを資金的に援助してくださった方は、何人もいらっしゃるんですか?

ええ。不思議なんですけど、何人かの方が援助してくださいました。
そのうちのひとりは会社員時代によくしてくださっていた先輩で、ある時彼に「バンクーバーに残りたいけど金がないから、誰か出資してくれそうな人はいないか」と相談したんです。そうしたら、彼が自分の貯金をおろして100万円送金してくれたんですよ。
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■第3回■

――念願の留学を果たされて、バンクーバーでは、どんな生活を送っていらしたんですか?

バンクーバーでは、とても充実した3年半を過ごしました。でも、悔しい思いもたくさんしましたよ。映画学校の生徒はほとんどネイティブでしたから、英語で自分を表現できない時点で、先生やクラスメイトにどうしても軽く見られてしまいますし、最初は英語の専門用語なんかチンプンカンプンで、あまりにわからないので、授業をさぼって外でぼんやりしていたりもしました。

――脚本も、当然英語で書かなきゃいけないですもんね。

そうなんですよ。英語で脚本を書いて、英語でプレゼンする。日本語でも脚本を書くのは大変なのに、いきなり全部を英語でしなくちゃならなかったんです。学校では、何本か、チームを組んでドラマやドキュメンタリーを撮ることになっていたんですが、僕の作品はことごとく選んでもらえず、監督にもなれず終いで、本当に悔しい思いをしました。

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■第2回■

――そもそも、TOMOさんが映画監督を志された切っ掛けはなんだったんですか?

両親の影響もあって、子供の頃から映画は好きでよく観ていたんですが、映画監督になりたいと明確に思ったのは、浪人していた19歳の時、『7月4日に生まれて』(オリヴァー・ストーン監督・89年)を観たことが切っ掛けなんです。

あの作品の撮影のために、主演のトム・クルーズは、1年間車椅子で過ごしたんですよ。

――1年間もですか!

そうなんです。1年間車椅子で過ごすって、口で言うのは簡単だけど、実際大変なことじゃないですか。それでもやっちゃうトム・クルーズはすごいと思ったし、そこまでさせる映画って何なんだろうって思ったんです。

大変長らくお待たせいたしました(^_^;
インタビュー2回目のゲストは、フィルムメーカーのTOMOさんです。

インディゴフィルムズのウェブをご覧になったことはありますか?
映し出される映像の美しさもさることながら、経営理念にしるされた、力強くも軽やかで自分らしさに溢れた言葉の数々。それらがあまりにカッコよくて、代表のTOMOさんに、ぜひともお話を伺いたいとお願いしたところ、快くインタビューをお受けくださいました。

随所にキラリと光る珠玉の言葉が散りばめられたこのインタビュー。今回も、全12回のロングバージョンでお届けします。どうぞお楽しみに~♪

■TOMO(合田智一)さんプロフィール■
TOMOsan.jpg1973年東京出身。中央大学法律学部法律学科卒。6年間のサラリーマン生活の後、29歳で渡加。バンクーバー・フィルム・スクールにて映画製作を学ぶ。
短編第一作『Before, After』(2003年)はフジテレビ「ショートショート制作部」にて最優秀撮影賞を受賞など、国内外の映画祭に多数入選。短編第2作『for the beauty of falling petals』(2004年)はバンクーバー、トロント、ウィスラー等の映画祭にて入選。2006年に帰国、フリーランスの映像クリエイターとして活動を開始。2007年、株式会社インディゴ・フィルムズを設立。初監督作品、SF時代劇アクション、『The Tears of the Rabbit』が2008年公開予定。
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>>biglobeのHPで、インディゴ・フィルムズ制作・TOMOさんがディレクターを務めていらっしゃる、「はたらくげんき」がご覧になれます。(*視聴できるのは最新版のみ。TOMOさんは、全12本中4本担当されています)。詳しくはこちら


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このブログでご紹介した本

パパの極意―仕事も育児も楽しむ生き方安藤哲也著(NHK出版生活人新書)
本屋はサイコー! 安藤哲也著(新潮OH!文庫)

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